事故の記録(事故台帳)の作成

あなたの会社のトラック運転手が交通事故を起こしてしまったら、運行管理者などが事故現場に足を運び、被害状況に合わせて対応しなけませんよね。

 

想定外のことが起こり、事故の当事者でなくても、すこしパニック状態になってしまい、「事故記録簿(事故台帳)の作成」を忘れてしまうかもしれません。

 

いざというときに、慌てず対応できるように事故の記録はどのように記録保存すればいいのか書いていきたいと思います。


1.事故を再発しないために

トラック運送会社は、道路交通法67条第2項に規定する交通事故(車両等の交通による人の死傷または物の損壊)や自動車事故報告規則第2条に規定する事故(重大事故)があった場合、事故の記録を作成し、保存する必要があります。

 

トラックは、車体が大きく、重量もあるので、重大事故に発展しやすい傾向があります。

 

だからこそ、同じような事故を二度と起こさないために「どのようにすれば、事故を未然に防ぐことができたのか?」「事故の原因は何だったのか?」考えたうえで、他の運転手と情報を共有する必要があるのですね。

 

特に、事故は不思議なもので、いままで無事故が続いていたにもかかわらず、1度の事故が引き金となって、事故が連鎖することがあります。

 

科学的には実証されませんが、似たような体験をした人も多いはずです。
だからこそ、営業所ごとに「事故記録簿」を作成するということが必要なんですね。

2.事故台帳に書かなければいけないこと!

(出典元:福岡県トラック協会)

 

いつ・だれが・どのように・事故を起こしたのか、当時の交通事故の状況をまとめるための「事故台帳」には、記載すべき項目が法律で定められています。

 

自作は難しいので、トラック協会などで公開されている様式を利用することをオススメします。

 

<かならず様式になければいけない項目>

@乗務員の氏名

A自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
B事故の発生日時
C事故の発生場所
※当該場所付近の地図に当該場所を表示したものを添付することで足りる。
D事故の当事者(乗務員を除く)の氏名
E事故の概要(損害の程度を含む)
※自動車事故報告規則別記様式の「当時の状況」、「事故の種類」、「道路等の状況」、「当時の運行計画」及び「損害の程度」を記録することで足りる。
F事故の原因
※運行管理者は、事故発生時点において推定される直接的原因のみならず、事故の要因と認められるものを正確に把握し、諸々の要因について総合的に究明することに努める必要がある。
G再発防止対策
※事故原因が明らかになってから講ずることとしている場合には、「原因究明結果待ち」と記入するとともに、緊急的に講じた対策についても記入する。

 

保険会社が作成した事故報告書は項目が足りない

交通事故が発生した場合、保険会社にも当時の事故状況を報告すると思いますが、その報告書を事業法の「事故台帳」に流用すると、項目が不足している可能性が高いです。

 

保険会社にとって必要な情報は、@〜Eまでの事故が発生した経緯などの情報です。
F事故の原因やG再発防止対策は必要ありません。

 

そのため、事業法の「事故台帳」としては、項目不足扱いになってしまうというわけなんですね。

 

保険会社への報告書に加えて、F事故の原因やG再発防止対策を記載した用紙を添付させることをオススメします。

 

保険会社が作成した様式は、あくまでも保険会社が必要な情報を記載してもらうための様式です。だから、法律で定められた項目が足りていないケースがほとんどなんですね。

 

このままでは、巡回指導や監査などで項目不足として指摘されるので、【事故の原因】【再発防止対策】の項目を添付しておきましょう

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3.「交通事故」「重大事故」とは?

「事故=交通事故」ではありません。
労災事故や物損事故など、さまざまな事故があります。

 

だから、事故記録簿に残すべき、事故がどのような場合か迷うことだと思いますが、難しく考える必要はありません。次の2点の事故があった場合、事故記録簿として残しておけばいいのです。

 

「交通事故」 … 道路交通法67 条第2 項。人の死傷又は物の損壊
「重大事故」 … 自動車事故報告規則第2 条に規定する事故

 

ちなみに記録は営業所ごとに事故発生後30 日以内に作成したうえで3年間保存しなければいけないことになってます。

4.事故がなくても事故記録簿のファイルを作成しておく

たとえ、事故が発生していなくても、事故記録簿のファイルを作成しておき、いつでもすぐに記入できるような状態にしている運送会社が多いです。

 

事故が発生してから考える…では、対応できないので、かならず作成しておきましょう。

5.巡回指導で見られるポイント

2年に1度、適性化指導員がチェックするところはどのようなところなのでしょうか?

 

□ 過去3年間に「交通事故」「重大事故」がないか確認される
□ 過去3年間に「交通事故」「重大事故」があれば、事故台帳の提示を求められる
□ 法定項目が網羅されているか?3年分記録保存されているか?チェックされる

 

事業法から、↑の流れで行われると思われます。
自社が遵守できているのか確認してみましょう。

ここがポイント!

事故の中身をチェックされているわけではなく、あくまで上のチェック項目を満たしているのか確認しているようでした。

 

もしも事故がない場合、事故があったときの様式の提示を求められることもあるので「事故がないから安心…。」と思わずにきちんと整備しておきましょう。

 
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