事業実績報告書の書き方と提出方法
一般貨物自動車運送事業の許可を取得すると、毎年、運輸支局に提出するものがあります。
そのひとつが”事業実績報告書”です。
では、この事業実績報告書はどのようなものかというと、簡単に言えば、毎年、前年4月1日〜3月31日までの1年間の輸送実績を国に届出するものなんです。これは、貨物自動車運送事業規則第2条に定められているので、かならず提出しなければいけない書類というわけなので気を付けておきましょう。
1.提出期限は?
まず提出期限については、3月31日までのデータを届出することになっていますので、4月1日から7月10日までに報告することになります。
2.提出先は?
提出先は、県によって異なります。
基本、所轄地方運輸支局に2部(1部事業者控えとして押印のうえ返送される)提出することになるのですが、「トラック協会を通じて届出して欲しい」という地域もありますので、事前にトラック協会のHPを見たうえで判断してもらえればと思います。
ちなみに、1部返送してもらわなければいけないので、切手を貼付した返送用封筒(返送先も記載しておく)を同封することをお忘れなく。
私の都道府県では、角形2号になっていましたが、他県では小さい封筒でもOKかもしれません。
(まとめ)
・提出部数は2部(1部事業者控えとして支局が受付印押印のうえ返送)
・提出先は「所轄地方運輸支局」
・返信用封筒(切手貼付・返送先記載)を同封する
※ただし、トラック協会を通じて提出をお願いされている都道府県もあり。
3.事業実績報告書のダウンロード先
事業実績報告書は全国共通の様式なので、どこのトラック協会のHPからでもかまいません。ダウンロードしてもOKです。
会員ID・パスなど必要としていないので、トラック協会の会員になっていなくてもダウンロードできます。
4.事業実績報告書の書き方について
事業者単位での提出になりますので、もしも、複数営業所があれば、それぞれの項目の合計値を記載する必要があるので、その点は注意が必要です。
それでは、記入例を見ながら各項目について説明していきます。
(A)区分
区分には、「一般・特積・利用・霊柩・特定」がありますので、該当しているもの”すべて”に〇で囲みましょう。
(B)事業者の情報を記載
事業者の「住所・事業者名・代表者名・電話番号」を書いてください。横判でも問題ありません。
(C)年
提出する「年」を記載しましょう。
(D)事業用自動車の車両数
3月31日現在で、運輸支局に届出している緑ナンバーのトラックの車両数を書くことになります。そのため、社用車など白ナンバーの車両は除く必要があります。
(E)(F)従業員数・運転者数
3月31日現在の従業員数・運転者数を書くことになります。なお、従業員の数は役員を含めずに記載してください。
(G)事業内容
事業内容の欄から、該当する事業に〇を囲んでください。選択肢の中に該当する事業がなければ、その他に「食料品の集配」「機械部品の貸切輸送」等のように、自社が輸送している輸送品目、輸送形態を詳細に書くことになります。
(H)延実在車両数
事業用自動車が前年4月1日から当年3月31日までの1年間において在籍した日数の年間累計を書くことになります。
計算方法としては、車両数×365日(うるう年の場合、×366日で計算)することになるのですが、仮に、年途中で車両に増減があった場合は、在籍した日数を記載することになります。
例)5両365日在籍、2両途中減車により100日在籍
5両×365 + 2両×100 =述実在車両数
( I )延実働車両数
事業用自動車(各車両)が実際に稼働した日数の年間累計を書くことになります。ちなみに、事業用自動車がかどうしたかどうかの判断については、1日単位で判断して、1日のうち短時間のみ稼働し、その後は稼働しなかったとしても、1日車と算定することになります。
(J)走行キロ
運転日報などから集計した全車両の総走行キロ数を書くことになります。
(K)実車キロ
総走行キロのうち、貨物を積載して走行した年間の走行距離を書くことになります。
輸送トン数
(L)実運送…自社の車両での輸送トン数(霊柩事業者は体数(〇〇体)で作成)を記載(M)利用運送…庸車による輸送トン数(霊柩事業者は体数(〇〇体)で作成)を記載
(N)営業収入
年間の実運送と利用運送の合算による売り上げ高の実績値を書きます。
(O)事故件数
交通事故件数…事業用自動車が関係した「警察による事故検分」が行われた交通事故重大事故件数…運輸支局への報告義務がある事故件数
死者数…事業用自動車が関係した交通事故の発生から24時間以内に死亡した人の数
負傷者数…事業用自動車が関係した交通事故によって負傷し、治療を要した人の数
まとめ
事業実績報告書は、A4用紙1枚にまとめて書いていきますが、慣れていなければ作成するのはなかなか大変です。運送会社によって、自社で作成するところもあれば、行政書士に依頼するところもあり、対応はさまざまです。
状況に応じて対応していきましょう。