高齢運転者に対する特別な指導
トラック運送会社に勤める運転手の平均年齢は高く、いまでは40歳以上ともいわれています。
あくまでも平均値なので、運送会社の中には60歳以上の運転者ばかりというところも実際にあるのです。人材不足の影響もあるかもしれませんが、その一方で「ベテランで頼りになる運転手だから…。」と、信頼して雇用を続けているケースもあります。
ただ、以前からあった高齢運転者に対する教育について、急に意識しなければいけなくなった運送会社が増えたのも事実。実際にどのように行えばいいのか、とまどっている事業所も多いのではないでしょうか?
1.高齢運転者に対する特別な指導はいつまでに実施したらいい?
65歳以上の高齢運転者は、まず適齢診断を受診する必要があります。(適齢診断に該当する運転手は?いつまでに受診すればいい?)
適齢診断を受診した後、受診結果表を2部渡されるのですが、1部は会社控え用になっています。それを用いて、高齢運転者に対する特別な指導を実施することになります。
ちなみに、実施時期については、適齢診断の受診結果が出てから1か月以内ということなので、忘れずに教育をしていきましょう。
2.どのように教育したらいいの?
高齢運転者に対する特別な指導を行ううえで、重要なのは”指導”しないということです。
まずは、適齢診断の結果を見たうえで、その受診者の診断結果の素晴らしい点を褒めることが大切です。
なにしろ、高齢運転者は、長年、トラックの運転手を勤めてきたわけですから、運転についてプライドがあります。だからこそ、運転を振り返る雰囲気づくりをするためには、良いところはキチンと褒めることから始めなければいけません。
たとえば、「〇〇の意識が高いですね!Aさんが無事故期間が長いのもうなずけます。」なんてほめると、その後の話もスムーズにいきやすいですよ。
そして、自身の運転について、診断結果と照らし合わせながら、気が付いたことはないか聞いてみる。「些細なことでも話して欲しい。」という姿勢を持つことが重要ですよ。
3.教育記録簿をダウンロードして記録保存
高齢運転者に対する特別指導を行ったら、その結果を教育記録簿に記載する必要があります。
では、どのような様式を用いて保存すればいいのかというと、トラック協会の様式をそのまま利用することをオススメします。まずは、申請様式一覧のページに行きましょう。(⇒申請様式一覧)
すると…
↑のように様式がダウンロードできるはずです。
協会さんは、HPで無料で公開していますので、困ったときは活用するといいですよ。
4.記入例
それでは、どのように書いたらいいのでしょうか?
じっさいにトラック協会で公開している記入例を見てみましょう。
少し固い内容になっていますが、運転者本人が気付きや今後の運転についての目標を口にしたら、その内容を書いたほうがいいです。
ちなみに、この特別指導の記録簿の保存期間は3年間。
意外と長いので大切にファイルに綴じておきましょう。
また、運転者台帳にも特別指導について記入欄があります。
合わせて、その場で書いておくと忘れずに済みますよ。
まとめ
適齢診断を受診させたにもかかわらず、高齢運転者に対する特別な指導をしていなかった。教育記録簿を作成していなかったという運送会社は多いです。
いままで高齢運転者に対する教育を行ったことがないこともあって、どこの運送会社もどのようにしたらいいのか戸惑いを感じているのかもしれません。