運行管理者の補助者ができる業務とは?

運行管理者は、事業所毎に選任しなければいけません。

 

その選任数は、所有する車両数によって変わります。もしも29両以下だった場合、選任する運行管理者は1名で問題ありません。しかし、たとえ29両未満でも、運行管理者1名で対応することは難しいですよね。

 

たとえば、長距離輸送や早朝・深夜の輸送をする場合、たったひとりの運行管理者が点呼執行の対応できるでしょうか?

 

運行状況によっては、1日24時間・365日管理になるかもしれません。
これでは、運行管理者1名では対応不可能です。

 

そこで、運行管理者の仕事を補助してくれる「運行管理者 補助者」の制度があるわけなんですが、誰でも行ってもいいというわけではありません。営業所内で一定の能力を有する補助者を活用することが重要になってきます。

 

では、運行管理者の補助者になるためにはどのような条件があるのでしょうか?また、その業務はどのようなものなのでしょうか?

 

解説していきます。

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1.運行管理者の補助者ができる業務

運行管理者の指示のもと、補助者は、次の業務を行うことができます。

 

@ 点呼の一部
A 運行指示に係る資料の作成及び運転者への伝達行動

 

この2点です。

 

ちなみに、【@点呼の一部】という表現を用いるのは、運行管理者が点呼執行できる回数にルールがあるからです。補助者は、運行管理者の代わりに点呼執行はできても、そのすべてをすることはできません。

 

では、どの程度、執行しても問題ないのでしょうか?

 

答えは、1カ月間に行った点呼執行の総回数の3分の2までしか点呼できない−です。

 

やはり、運行管理者が最低でも総回数の3分の1くらい点呼を執行しなければ、運行管理をしているとはいえませんよね。だから、運行管理者補助者が点呼を執行できる回数にも限りがあるのです。

 

補助者は運行管理者の指導及び監督のもと行われるものである

補助者が行う業務は、運行管理者の指導及び監督のもとに行われるものです。

 

とくにいまから紹介するものに該当するおそれがある場合は、ただちに運行管理者に報告をして、運行ができるのか・できないのか、運行の可否について指示を受け、その結果を各運転者に伝え、指示することがポイントになります。

 

@ 運転者が酒気を帯びている
A 疾病、疲労その他の理由により安全運転をすることができない
B 無免許運転、大型自動車等無資格運転
C 過積載運行
D 最高速度違反行為

 

通達 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について

 

第18 条 運行管理者等の選任
5. 補助者が行う補助業務は、運行管理者の指導及び監督のもと行われるものであり、補助者が行うその業務において、以下に該当するおそれがあることが確認された場合には、直ちに運行管理者に報告を行い、運行の可否の決定等について指示を仰ぎ、その結果に基づき各運転者に対し指示を行わなければならない。

 

イ 運転者が酒気を帯びている
ロ 疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができない
ハ 無免許運転、大型自動車等無資格運転
ニ 過積載運行
ホ 最高速度違反行為

2.運行管理者の補助者の資格要件とは?

補助者制度ができる前は「代務者」という名称だったのですが、法が改正になって以降、誰でも補助者に選任してOKというわけではなくなりました。補助者になるためには、選任するための資格要件があるんですね。

 

では、その資格要件とは何かというと…

 

@ 運行管理者資格者証を取得していること
A 独立行政法人自動車事故対策機構の運行管理者基礎講習を受講していること

 

この@かAのいずれかの条件を満たしていれば、運行管理者の補助者に選任することができます。

 

貨物自動車運送事業輸送安全規則第18 条第3 項

一般貨物自動車運送事業者等は、運行管理者資格者証(旅客自動車運送事業に係る運行管理者資格者証を含む。)を有するもの、または、国土交通大臣が認定する講習を修了した者のうちから、運行管理者の業務を補助させるための者(以下「補助者」という。)を選任することができる。

 

トラック運送会社の場合、運行管理者の補助者に選任したとしても、国に届出する必要はありません。ですが、選任するうえでしなければいけないこともあります。それが…↓の内容になっています。

 

・ 補助者の地位と職務権限が運行管理規程等で明確にされてある
・ 補助者の選任数は、運行管理の業務量を十分考慮した数である

 

この2点です。

 

通達 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について

第21 条 運行管理規程
補助者を選任する場合には、補助者の選任方法及び職務並びに遵守事項等について明記しておくこと。

3.運行管理者を複数選任しないという選択

運送会社によっては、運行管理者試験に合格し、資格者証を所持した事務員や乗務員がたくさんいるところがあります。

 

それにもかかわらず、あえて運行管理者の選任は1名だけ(29両未満)…にしているところもあります。なぜ、このように選任数をあえて最低限におさえているのでしょうか?

 

じつは、これには理由があるんです。

 

資格者証を持っているから、そのすべてを選任してしまうと、デメリットが発生してしまうのです。つまり、運行管理者に選任するのではなく、あえて補助者として選任したほうがメリットがあるというわけなんですね。では、その補助者のメリットとはどのようなものなのでしょうか?

 

それは…

 

@ 運行管理者資格者証を取得していても、運行管理者に選任されていなければ、一般講習の受講義務が発生しない
A 重大事故が起きたとしても、運行管理者に選任されていなければ、2年連続一般講習を受ける必要がない
B 運行管理者に選任されていれば、他の営業所の運行管理者や補助者に選任することはできないけれど、補助者であれば、選任されている営業所の補助業務に支障を生じない場合に限り、同一事業者の他営業所補助者として兼務できる。(※各営業所において、運行管理業務が適切にできるよう運行管理規程に規定しておくことが必要)

 

とくに、講習の義務が発生しないことが大きいですね。
もしも、むやみに選任してしまうと、そのすべての運行管理者に講習の義務が発生してしまいます。

 

そうすると、ひとりでも受講を忘れてしまうと、行政から処分を受けてしまうというわけなんですね。トラック運送会社は人員に余裕がないので、講習を受けたくても、業務の都合上、受講できないこともあります。

 

それから考えると、補助者として選任し、点呼執行を手伝ってもらうほうが合理的ともいえます。

 

通達 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について

第18 条 運行管理者等の選任

 

2. 第3 項の「講習」には、平成7 年4 月1 日以降平成19 年3 月31 日以前に独立行政法人自動車事故対策機構が行っていた基礎講習も含むものとする。3. 第3 項の補助者の選任については、運行管理者の履行補助として業務に支障が生じない場合に限り、同一事業者の他の営業所を兼務しても差し支えない。

 

ただし、その場合には、各営業所において、運行管理業務が適切に遂行できるよう運行管理規程に運行管理体制等について明記し、その体制を整えておくこと。

 

4. 補助者は、運行管理者の履行補助を行う者であって、代理業務を行える者ではない。ただし、第7 条の点呼に関する業務については、その一部を補助者が行うことができるものとする。

まとめ!

運行管理者補助者を活用すれば大きな武器になります。事業所によっては、早朝・深夜の点呼を運転手が運行管理者補助者として、点呼しているところもあります。(ただし、セルフ点呼ができないので複数補助者として選任。)

 

ただ運行管理者試験を受験しなくても、運行管理者基礎講習に受講することで修了証がもらえるので、複数の運行管理者を選任しているところも増えました。

 
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